キリスト教「福音派」トランプ氏を熱狂的に支持するワケとは?
アメリカ大統領選挙で返り咲きを目指すトランプ前大統領を支えているのが、大統領選に大きな影響力を持つキリスト教保守派の「福音派」と呼ばれる人たちです。トランプ氏を熱狂的に支持するワケとは。
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共和党大会最終日に銃撃事件後初となる演説を行ったトランプ前大統領。
トランプ前大統領「(銃撃を受けたが)私はとても安全だと感じた。なぜなら神が私の側にいると感じたからだ」「私がみなさんの前に立っているのは、全能の神の恵みのおかげだ」
繰り返し口にしたのは「神」という言葉でした。
事件後の世論調査では、共和党を支持する人の65%が「トランプ氏が一命をとりとめたのは神の摂理」だと回答。さらに、党大会の会場の一角では、銃撃事件の写真と共にトランプ氏“公認”の聖書が1冊約9000円で販売されていました。
トランプ前大統領「全てのアメリカ人の家に聖書が必要です。私の大好きな本です」
これまでも「信仰心のあつさ」をアピールしてきたトランプ氏。その背景にあるのが、今、トランプ氏を熱狂的に支持するキリスト教の保守派「福音派」と呼ばれる人たちです。先月開かれた福音派の政治集会でトランプ氏が訴えたのは…
トランプ前大統領「キリスト教への偏見と闘うため、新しいチームを立ち上げる」「何度も言うよ。クリスチャンのみなさん、投票してください」
聴衆「投票しろ!投票しろ!」
聖書を「神の言葉」だと信じ、バイデン政権が支持する中絶や性的少数者の権利について否定的な考えを持つ福音派。アメリカの成人人口の4分の1を占めていて、そのうちの81%がトランプ氏に投票するというのです。
過去のセクハラ報道や、刑事裁判での有罪評決など、キリスト教の価値観に反する言動が目立つトランプ氏をなぜ支持するのか。
私たちが向かったのは、南部・テネシー州。「バイブルベルト」と呼ばれるキリスト教信仰があつい一帯です。
グレグ・ロック牧師「神があなたの人生を変えようとしていることを信じ、聖書の力を信じるならアーメンと叫んで!」
トランプ氏を支持する牧師が開催する日曜礼拝には、1000人近い信者の姿が。会堂の一角には水槽が置かれ、洗礼式も行われていました。
今のアメリカの政治状況を牧師はこう嘆きます。
ロック牧師「敵はサタンのことだ。悪魔が文化に影響を与えているのは間違いない」「世界中のあらゆるものがLGBTQを推進している」
近年、アメリカで見られる中絶や同性婚を認める動きに対し、牧師は伝統的な価値観がリベラルに変化することへ危機感を募らせていました。
ロック牧師「絶対に同性婚を覆すべきで、中絶を覆して連邦政府として禁止して犯罪にすべきです」「福音派がトランプを支持する最大の理由は、彼が、私たちが信じていることを話すことを許してくれるからだ」
キリスト教の価値観と異なるトランプ氏の言動について信者は…
トランプ氏を支持 福音派信者「彼は自分の罪を告白して神に導かれている。クリスチャンとして私たちは許しています」
銃撃事件を受け、“神格化”が進むトランプ氏。福音派の信仰心が愛国心と一体となり、国内の分断がますます進むことが予想されます。